中国のネット上では「IJN」という英文字を見かけることがある。これは大日本帝国海軍(Imperial Japanese Navy)を表す言葉として中国人ネットユーザーたちに使用されているが、意外なことに「IJNファン」の中国人は少なくないのだという。


 中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、「中国にはなぜこれほど多くのIJNファンがいるのか」というタイトルのスレッドが立ち、この質問に対して多くの中国人ネットユーザーたちがそれぞれの意見を投稿している。

 スレッドを立ち上げた中国人ユーザーは「他の国の海軍に比べ、大日本帝国海軍のファンはずいぶん多いように見える」と指摘し、なぜIJNファンになったのかを問いかけている。これに対し、4000を超える賛同を得たのは、「死を全く恐れずに西欧諸国と真正面からぶつかった」ことを理由に挙げたコメントだった。

 日露戦争ではロシア帝国の海軍を打ち破り、太平洋戦争でも前半は西欧諸国と互角に戦っていたとし「誰が崇敬せずにいられようか」と主張した。こうしたコメントには現在の中国と米国の対立も影響しているのだろう。

 さらに日本の「宇宙戦艦ヤマト」、「ストライクウィッチーズ」など数多くの日本アニメにIJNの戦艦の名前が登場しており、また近年中国もこれらアニメを含む日本文化を大々的に吸収しているため、これが中国で数多くのIJNファンが生まれる原因になったという声もあった。
中国での日本のアニメ文化の影響力は強く、そのため軍事マニアでなくとも旧日本海軍の艦名の多くを知っている人もいるそうだ。

 また、「IJNの戦艦はデザインが良い」、「IJNの戦艦は名前がかっこいい」と主張する声も多く見られたが、中国では日本を称賛することは批判の対象となりかねないことであり、ましてや大日本帝国関連のことを称賛するとなれば「精神日本人」なのではないかと攻撃される可能性すらある。スレッドの議論はあくまでも匿名だから可能なのであり、また多くのユーザーが発言の前に「歴史を忘れているわけではないが」と前置きしていたのが印象的だった。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)